2007年06月07日

新興宗教オモイデ教外伝を読みました

前作、というか元ネタの新興宗教オモイデ教は名作でございました。
著者の大槻ケンヂ氏は、天才だと思います。
外伝のあとがきを見ると、本人は軽い気持ちで書いていたようですが、それでも良いものは良い。

そして、作品が世に出てから15年。
オモイデ教の世界観を使って、外伝が新たに執筆されたわけです。
私のようにいい年したオタクなら、気になっている作品ではないでしょうか?

で、読了したわけですが私個人の感想は、全然ダメ、です。

キャラクターの性格も違っていますし、設定も台詞回しもカッコイイ言葉を並べて複雑にしてごまかしている感じです。
作中の言葉遣いも鼻につきます(一番は、『本当→本統』。いらっときます)。

原作の設定を引き継いで・・・ということでしたが、何をもって原作が名作足りえたのかをよく考えて欲しかったです。

上辺だけの設定をまねて、毒電波を使う。桜の光が出る。前作のキャラクターが出る。それだけで、オモイデ教の世界とするのは乱暴な話です。
設定や性格が違っていてもリメイクとしては別にかまいませんが、作品のカラーが絶対的に違います。

個人的に考えるオモイデ教の世界を決定付けた要素は、独特の比喩表現とそこから出る雰囲気です。

たとえば、
「一日に数回、羽の音を聞いたわ。耳の奥の方に黒い大きな、テラテラ光る虫が住み着いたのかと思ってたわ。その虫は突き出した角に赤いひもが結んであって、右の耳にいる虫と左の耳にいる虫は、その一本の糸で連絡を取り合う。右の虫が何か嫌の声を聞くと、早くあいつに知らせなきゃって、羽根をブルブル震わせて、糸を伝わる震えは、私の脳の中で螺旋状にまわって、なかなかもう一匹に届かない。そんなふうな嫌な音」
こんな台詞で、人の狂気を表現しています。ゾクゾクしますよね。
これ、いちばん好きな表現です。

で、外伝の表現は、普通のライトノベルです。読みにくい部類の。
それっぽい萌えキャラと鬱展開を配置して、電波を出して外伝の出来上がりです。でも別に萌えないし。

大槻ケンヂ氏にもう一度書かせて、あの世界が再び書けるかわかりませんが、他の人に頼むなら、編集部がしっかり分析して監修するべきでした。

まあ、期待はしていませんでしたが、がっかりです。
タグ:日記 小説
posted by ユウ at 14:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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